木を彫るというのは、草花を生けるのとはちがう次元で植物にふれているように思います。先日、木彫り作家の方にお話をうかがっていたら、その方は、大事な自然の材料であること、それを生かすのには木がどうなりたいのか言うのを待つのだそう。自分がどのようなものをつくりたいかという考えはないと話していました。なるほど、芸術(アート:Art)というのは、そういうものではないかと思っていた私は、ものすごく納得しました。デザインとアートのちがいを言葉で説明するとき、もう一歩ほしいところでしたが、そのとき腑に落ちて。安心しました。
これは、トンガ王国のガーデンスツールです。高さ20cm、手のひらにのるほどの小さな小さなものなので、スツールときいて驚きました。試しに座ってみると、草むしりにちょうどよく、しかも、絶妙な座り心地。遠い国の誰かがせっせと削った手作業の痕跡も美しく。椅子だけど、しばらくはテーブルの上に飾りたいと思います。ダイヤ型の脚の形もとっても好み。
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