perfume パフューム

風の方向へ揺れる煙り。
「perfume(パヒューム、パルファン)」の語源は、ラテン語のperfumumペルフムーム(=煙を通して)。植物を焚き、煙を薫らすことからはじまった香りの歴史。紀元前から人々は宗教的儀式や祭り、医術などで香りのある草木を焚いていました。神に捧げる食物に香りをつけたり、防腐作用のある植物でミイラ製造をしたり、樹木の煙で病気治療をしたりと目的はさまざまです。

こうして、植物がもっている人を癒す力は古代の人々によって引き出され、その方法のひとつに、インセンス(薫香)があります。インセンスは立ちのぼる煙と香りで心のとても深い部分にまで作用するものです。私たちのなかに眠っている潜在意識につながっていく作業ともいえます。感情や気分を変えたいときに、リラックスしたいときに、集中力を高めたいときに、精神性、感性の表現である古くからの神聖な方法です。

今朝いちばんのインセンスは、教会で購入した福音香。フランキンセンス(乳香)、ミルラ(没薬)、ベンゾイン(安息香)、木片とハーブがブレンドされています。福音 Evangelion=イエスの救いの教えの意味で、good news 良い知らせを表すそうです。ゴスペルもそうですね、音と香りは良い知らせ。自分自身から生まれる(生み出す)グッドニュースなのかもしれません。

私は空薫やお焼香用の小さな炭に樹脂のみでも、ポプリでも、ドライハーブでもなんでものせて焚いています。フランキンセンス(乳香)の樹脂が昔から気に入っていますが、ブレンドしてキフィやお香をつくったり、香りが薄くなったポプリをくべてみるのもおすすめです。

お香とお茶があれば、しあわせ。どちらも植物、ハーブがもたらすもの。私たちの衣食住のなかには植物が満ちています。