冬芽ハンドブック

太陽の光が弱まる冬は葉を落とし、丸裸となって、美しい枝の樹形を見せてくれる落葉樹。葉があるときにはわからなかった枝の色や質感だけでも観察はわくわくしますが、冬芽もよく見ると木の種類によって違うのです。
冬芽とは、春を待つ小さな芽のこと。卵のような冬芽の中には葉やつぼみがそっと包まれています。

冬芽ハンドブックには、「コブシは毛皮をまとい、コナラは芽鱗を重ね着する。裸でも凍らないアジサイは不凍液をためこみ、トチノキは虫を寄せつけないねばねばの樹脂でコーティングする」とあります。それぞれの木が自分にあったやり方で春を迎えるための工夫をしています。
この本には落葉樹200種の冬芽の写真が集められています。とても小さく薄い本ですが、植物マニアの方にはぜひおすすめしたい一冊です。

『冬芽ハンドブック』広沢 毅著/文一総合出版