18年前に発刊された小さな本。ずいぶん前、毒草についてのリポートを書くことになったとき、引っ張り出して再び読み返してみましたが、やっぱりおもしろい本でした。 「毒草を食べてみた」のは筆者ではなく、登場する毒草事件の人々のことで。毒草を食べて、たいへんなことになったお話が植物ごとに綴られています。
毒となる成分のことや、その毒草の歴史やいわれなども含めた解説も楽しく。毒草はつまりハーブ、薬草でもありますので、ハーブを学んでいる方にもおすすめです。 花を活けた花瓶の水を飲んでも死んでしまうスズランは毒草であるとともに心臓に作用する薬草でもあるし、毒草で有名なトリカブトはいまだに解毒剤がないとのことで、いくつかの猛毒アルカロイドの致死量は微量なものですが、我が庭で美しい青紫色の花を咲かせ楽しませてくれています。 両極端に二面性を持ち合わせているのも毒のある植物の特徴のように思います。 恐ろしいお話がたくさん書かれているのですが、薬草好きにはワクワクする情報なのです。
『毒草を食べてみた』植松 黎 著/文春新書 2000年
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